FXではスプレッドと為替手数料がかかるので、 自分にとって有利な方向にレートが上がっても利益が取れない場合もあります。 (スプレッドと為替手数料は「取引でかかるコスト」で解説)
抜け幅とは、 「為替レートがどのくらい上がれば利益を得ることが出来るか」 という値幅のことをいいます。
これだけではイメージしづらいと思うので例を挙げて説明します。
レート | 為替手数料(片道) | スプレッド |
---|---|---|
100.26円 | 105円 | 1銭 |
上の条件でドル/円を1万通貨買うとします。 この場合、ドル/円のレートがどこまで上がれば利益が出るか見ていきましょう。
FXでは為替手数料とスプレッドを合計したものがトータルコストなので、 為替手数料とスプレッドが1通貨単位でいくらかかるかを計算すれば、 抜け幅がわかります。
上の表では為替手数料が片道105円なので往復210円かかります。 1万通貨の取引で往復210円ということは、 210円を1万で割れば1通貨当たりの為替手数料を求る事が出来ます。
210円÷10000=0.021円
つまり、為替手数料は1通貨当たり2.1銭かかることになります。
スプレッドはもともと1通貨当たりにかかる手数料なので、 為替手数料の2.1銭とスプレッドの1銭を足した3.1銭が抜け幅となります。
という事は、100.26円でドル/円を買った場合、 抜け幅の3.1銭を足した ドル/円100.291円以上になれば利益が出るという事になります。
FX業者を選ぶ際には、為替手数料とスプレッドを単体で比べるのではなく、 抜け幅で見るようにしましょう。 (最近では為替手数料が無料のFX業者も増えているので、 その場合は「スプレッド=抜け幅」という解釈で大丈夫です。)