約定とは注文が確定したときのことを言います。 そして約定力とは読んで字のごとく約定する力の事です。
例を挙げると、 Aさんがドル/円を1万通貨保有していて、 レートが上がってきたので100.25円になったら利益確定売りをする設定をしているとします。
ある時にレートが一気に変動して100.37円まで上がりましたが、 利益確定売りの注文が殺到して、ほんの十数秒の間に100.12円まで下がってしまいました。
当然利益確定売りを設定していたAさんも、100.25円を上回ったのでそこで約定できているはずなのですが、 なぜか何事も無かったかのように利益確定売りの注文が残ったままでした。
これは利益確定売りの注文が殺到した時に、 約定力が高いFX業者で取引していた人から取引が成立して、 Aさんが取引していたFX業者は約定力が低かったという事がいえます。
約定力が低いFX業者で取引をする際は、 上記のように約定できない可能性があるので注意してください。
約定力の説明では、 利益が上がった時に利益確定売りが出来なかった時の事をお話しましたが、 スリッページはそれの逆の事、 つまり自分が設定した損切りラインで約定出来なかった場合の事です。
例を挙げると、 Aさんがドル/円を1万通貨保有していて、 レートが下がってきたので99.75円になったら損切りをする設定をしているとします。
ある時にレートが一気に変動して99.45円まで下がり、 その後もレートは下がる一方でした。
Aさんは99.75円で損切りの設定をしていたので、 ほっとしながらFX業者のページにログインしてみると、 79.60円で損切り注文が約定していました。
本来は99.75円で損切りできているはずが、 損切りラインがずれて15銭分の損失が上乗せされてしまっています。
このように、 損切りのラインと約定したレートがずれてしまう事をスリッページといいます。
これは約定力で説明した事と同じく、 損切りの注文が殺到した時に約定力が高いFX業者で取引していた人から取引が成立して、 Aさんが取引していたFX業者は約定力が低かったという事がいえます。
上記の事から、 約定力はFX業者を選ぶ際にとても重要な要素という事がおわかりいただけたと思います。 現在は、為替手数料が無料のFX業者が多い上、 スプレッドも1銭以下のところがほとんどなので、 私的な意見ですが手数料より約定力に重点を置いてFX業者を選定した方がいいと思っています。